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訪問診療クリニックのホームページに載せるべき内容

訪問診療クリニックのサイトは、患者さん・ご家族、紹介元の連携室やケアマネジャー、求職者の3つの読者に向けて作る必要があります。それぞれが確認したい情報と、必要なページ構成を整理しました。

訪問診療クリニックのホームページは、外来クリニックのサイトと同じ作り方では役に立ちません。読者が3種類いて、それぞれ見たい情報が違うためです。患者さんとご家族、紹介元になる病院の地域連携室やケアマネジャー、そして採用したい医師や看護師です。

この記事では、3つの読者ごとに「何を確認しに来るのか」を整理し、そこから逆算して必要なページと載せるべき情報をまとめます。開業に合わせて新しく作る場合も、既存サイトを直す場合も、チェックリストとして使えます。

訪問診療のホームページは読者が3種類いる

外来クリニックのサイトは、症状を抱えた患者さんが「地域名 内科」のように検索して来院するのが主な導線です。訪問診療は違います。新規の患者さんの多くは、退院時に病院の地域連携室から、あるいは在宅で困ったときにケアマネジャーや訪問看護から紹介されて決まります(弊社の経験では、患者さんご本人が検索して直接申し込む例はかなり少数です)。

したがって、サイトが応えるべき問いは次の3つに分かれます。

  • 患者さん・ご家族「この先生に自宅へ来てもらって大丈夫か」
  • 紹介元「このクリニックに任せて、対応してもらえる患者さんか」
  • 求職者「ここで働いたら、どんな1日になるのか」

1つのトップページで3つの問いに同時に答えようとすると、どの読者にも刺さらないページになります。読者ごとに入口を分け、それぞれの導線を作るのが基本です。

患者さん・ご家族が確認したいのは「安心して任せられるか」

ご家族が訪問診療を探すとき、最初に不安に思うのは「知らない医師が家に来る」ことです。医療の専門性より先に、人柄と体制が見えることが優先されます。

医師の顔写真と、診療の考え方

院長と訪問する医師の顔写真、経歴、在宅医療に取り組む理由を載せます。経歴の長さより「なぜ在宅をやっているのか」の一文が効きます。ご家族はその一文で、この医師に頼めるかを判断しています。

訪問の流れと、初回に起きること

「申し込みから初回訪問まで何日か」「初回は何をするのか」「費用はいくらか」を、時系列で書きます。訪問診療は制度が複雑なので、費用は「1割負担の方で月◯円程度」のように具体的な目安を出したほうが親切です(実際の金額は加算や訪問回数で変わるため、目安であることを明記します)。

24時間対応と、夜間に電話したらどうなるか

在宅療養支援診療所であれば24時間の連絡体制が要件です。ただしご家族が知りたいのは要件ではなく「夜中に容体が変わったとき、誰が電話に出て、誰が来るのか」です。連絡先と、そのあとに起きることを書いておくと、初回訪問時の説明も楽になります。

対応できること、できないこと

看取りに対応しているか、がんの緩和ケアはできるか、認知症の方の対応はどうか。「対応疾患」の一覧より、ご家族が抱えている状況で書いたほうが伝わります。できないことも書いておくと、紹介元からの信頼にもつながります。

紹介元が確認したいのは「任せられる患者さんの範囲」

地域連携室の担当者やケアマネジャーは、退院や在宅移行の期限が迫っているなかで、複数のクリニックを比較しています。サイトで確認できなければ電話で聞くことになり、確認に手間のかかるクリニックは後回しになります。

対応エリアは市区町村名と地図で

「クリニックから16km圏内」という書き方は制度上は正しいのですが、担当者は患者さんの住所で判断します。市区町村名・町名レベルで書き、地図を添えるのがベターです。エリアの端は「ご相談ください」で構いません。

受け入れ条件を先に書く

医療処置の対応範囲(点滴、中心静脈栄養、人工呼吸器、褥瘡処置など)、精神疾患や小児への対応、施設への訪問の可否、看取りの対応。担当者が最初に確認するのはこの部分です。対応できない項目を隠さず書いたほうが、結果として紹介は増えます(合わない患者さんを紹介されて断る手間が、双方から消えるためです)。

紹介の申し込み方法と書式

「ご紹介いただく医療・介護関係者の方へ」という専用ページを作り、電話・FAX・フォームの窓口と、診療情報提供書のあて先、こちらで用意した紹介申込書のPDFを置きます。連携室の担当者は書式があると動きやすくなります。

連携している医療機関と訪問看護

後方支援病院、連携している訪問看護ステーション、薬局。名前を出せる範囲で載せます。掲載には相手先の了承が要りますので、事前に確認してください。

求職者が確認したいのは「1日の流れ」と「オンコールの実態」

訪問診療は医師・看護師・事務・ドライバーが揃わないと患者さんを増やせません。求人媒体に出すだけでなく、自院のサイトに採用ページを持つ理由は、媒体に書けない実態を書けるからです。

1日のスケジュールと訪問件数

「9時に出発して1日◯件、昼はどこで食べるか、何時に戻るか」。応募者が知りたいのはこの粒度です。写真は同行訪問の様子や車内の写真が、院内写真より効きます。

オンコールの回数と、実際に呼ばれる頻度

訪問看護や医師の応募で最も聞かれるのがオンコールです。「月◯回、実際の出動は月◯回程度」と実績で書きます。書けないなら、体制(当番制か、バックアップがあるか)だけでも書いておきます。

職種ごとの募集要項と応募フォーム

医師・看護師・事務・ドライバーで、それぞれページを分けます。Googleしごと検索やIndeedに拾われるよう、求人の構造化データを入れておくとサイトからの応募が増えます。

訪問診療クリニックのサイトに必要なページ構成はどうなるか

読者3種類の確認事項をページに落とすと、次の構成になります。10ページ前後です。

ページ主な読者載せる内容
トップ全員対応エリア、24時間体制、3つの入口(患者・家族/関係者/採用)
訪問診療について患者・家族訪問診療と往診の違い、対象になる方、費用の目安
診療の流れ患者・家族申し込みから初回訪問、その後の定期訪問と緊急時
対応できる医療患者・家族/関係者対応処置、看取り、緩和ケア、認知症
医師・スタッフ紹介患者・家族/求職者顔写真、経歴、在宅に取り組む理由
対応エリア関係者市区町村名、地図、施設訪問の可否
医療・介護関係者の方へ関係者受け入れ条件、紹介の申し込み方法、書式PDF、連携先
採用情報求職者職種別の募集要項、1日の流れ、オンコール、応募フォーム
お知らせ・コラム全員診療体制の変更、地域向けの情報
アクセス・お問い合わせ全員所在地、連絡先、患者向けと関係者向けのフォーム

トップページで大事なのは、上のほうに3つの入口を並べることです。ご家族向けの「はじめての方へ」、関係者向けの「ご紹介について」、求職者向けの「採用情報」。読者が自分の入口を1秒で見つけられれば、トップの他の要素はシンプルで構いません。

医療広告ガイドラインで気をつける表現

医療機関のホームページは、医療広告ガイドラインの対象です(出典 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」)。訪問診療のサイトで特に引っかかりやすいのは次の点です。

  • 患者さんやご家族の体験談を、治療効果に関わる内容で載せること
  • 「地域No.1」「最高の在宅医療」のような比較優良表現
  • 「必ず自宅で看取れます」のような断定
  • 費用を「安い」とだけ書き、条件を書かないこと

体験談を載せたい場合は、治療効果ではなく「対応の様子」に絞るなど、書き方の調整が必要です。判断に迷う表現は、公開前に所轄の保健所か、医療広告に詳しい方に確認するのが安全です。

よくある失敗は「外来クリニックのテンプレートで作ること」

制作会社の多くは外来クリニックのテンプレートを持っており、訪問診療のサイトもそれで作られます。診療科目のアイコンが並び、院内写真が並び、「WEB予約」ボタンがある構成です。訪問診療にはどれも要りません。代わりに必要な「関係者向けページ」「対応エリア」「1日の流れ」が抜けているサイトを、弊社もよく見かけます。

すでにそういうサイトをお持ちの場合、全部作り直さなくても、関係者向けページと採用ページを足すだけで紹介と応募の入口はできます。作り直しは、そのあとで判断しても遅くありません。

最後に

訪問診療クリニックのホームページは、患者さん・ご家族、紹介元、求職者の3つの読者に向けて、入口を分けて作るのが基本です。とくに紹介元向けの「受け入れ条件」と「申し込み方法」は、書いてあるかどうかで紹介の動きが変わります。

ケアつくでは、在宅医療のクリニックに絞ってホームページを制作しています。既存サイトへの関係者向けページの追加や、紹介申込書の作成も単体で受けていますので、必要な部分から相談してください。

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