集患・紹介

訪問看護ステーションとの連携で訪問診療の新規患者が増える理由

訪問看護は在宅での状態変化を最初に知る立場にあり、主治医の交代を相談する場面があります。その相談を受ける側になるための条件と、ホームページの関係者向けページに載せる連携情報を整理します。

訪問診療の紹介元というと病院の地域連携室とケアマネジャーが思い浮かびますが、訪問看護ステーションからの相談も、安定した経路です。訪問看護は在宅の患者さんを週に何度も見ていて、状態の変化を最初に知る立場にあります。その訪問看護が「主治医を代えたほうがよい」と判断する場面が、実際にあります。

この記事では、訪問看護がそう判断する場面と、相談を受ける側のクリニックになるための条件、そしてホームページの関係者向けページに載せておく連携情報をまとめます。

訪問看護は在宅の状態変化を最初に知る

訪問看護師は、利用者の自宅に週1〜3回、多ければ毎日入ります。バイタル、食事、排泄、皮膚、家族の疲労。主治医が月2回の訪問で見る情報より、はるかに細かい変化を把握しています。

状態が変わったとき、訪問看護師は主治医に報告し、指示を仰ぎます。ここで主治医の対応が遅い、指示が曖昧、夜間に連絡がつかない、という状況が続くと、訪問看護の側に負担が集まります。訪問看護は医師の指示がなければ動けない場面が多いためです。

訪問看護が主治医の交代を相談する場面

主治医の交代は、訪問看護が軽々しく持ち出す話ではありません。それでも相談が出るのは、次のような場面です。

  • 通院していた外来の主治医が往診に対応できず、状態が悪化しても指示が「受診してください」しか出ない
  • 訪問診療の主治医が夜間・休日に連絡がつかず、救急搬送になるケースが続いた
  • 看取りの方針を家族と話す段階で、主治医が在宅看取りに消極的
  • 医療処置(点滴、疼痛管理、褥瘡)の指示が遅く、訪問看護が動けない

こうした場面で、訪問看護師はケアマネジャーや家族に「在宅に慣れた先生に代わってもらう選択肢もある」と伝えます。そのときに名前が挙がるのは、訪問看護が日頃から連携していて、対応の速さを知っているクリニックです(弊社が訪問看護の管理者に聞いた範囲では、「指示書の返しが早い先生」がそのまま「紹介したい先生」になっているようでした)。

訪問看護に選ばれる条件

訪問看護が「この先生なら」と判断する条件は、患者さんやケアマネジャーとは少し違います。

訪問看護指示書の対応が速い

訪問看護は医師の指示書がないと訪問を始められません。指示書の依頼から返送までの日数は、訪問看護にとって主治医を評価する最初の物差しです。特別訪問看護指示書(急性増悪時に14日間、毎日訪問できる指示)を迷わず出してくれるかどうかも、大きな判断材料です。

連絡手段が決まっている

報告や相談を電話でするのか、FAXか、ICTのツールか。主治医ごとに手段が違うと訪問看護は混乱します。「日中はこの番号、夜間はこの番号、報告はこのツール」と決まっているクリニックは、訪問看護から見て組みやすい相手です。

24時間の役割分担が明確

夜間に訪問看護が利用者宅に呼ばれたとき、医師に電話する状況と、看護師の判断で対応してよい状況の線引きが決まっているか。この線引きを事前に共有しているクリニックは、訪問看護の夜間の負担が減ります。

看取りの方針が共有できる

在宅看取りに向けて、家族への説明の役割分担、死亡診断の体制、エンゼルケアの扱いなどを事前に話し合えるか。看取りの経験がある訪問看護ほど、ここを重視します。

サイトの関係者向けページに載せる連携情報

上の条件は、日々の連携で伝わるものですが、まだ連携のない訪問看護ステーションに向けては、サイトに書いておくしかありません。関係者向けページに、次の項目を加えます。

項目書く内容
指示書の対応訪問看護指示書・特別訪問看護指示書の依頼方法と、返送までの目安日数
連絡手段日中と夜間の連絡先、報告に使う手段(電話・FAX・ICTツール)、担当者名
24時間体制夜間・休日の対応体制、往診の可否、後方支援病院
看取り在宅看取りの対応、家族への説明の進め方
連携実績連携している訪問看護ステーション(了承を得たもの)
情報共有使っている情報共有ツールがあれば、その名前

「訪問看護ステーションの方へ」という小見出しを関係者向けページの中に設けるだけで十分です。専用ページにする必要はありません。

2026年度の改定でICTを使った情報連携の評価が見直される

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、在宅医療・訪問看護の分野で、平時からのICTを用いた情報連携に関する評価の見直しが行われる方針が示されています。往診時医療情報連携加算についても、連携先が機能強化型の在宅療養支援診療所・病院以外である場合にも算定可能とする見直しが盛り込まれています(出典 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定 質の高い在宅医療の推進」)。

訪問看護と日常的に情報を共有している体制は、集患の面だけでなく算定の面でも意味を持つ方向です。サイトの関係者向けページに「情報共有の手段」を書いておくのは、その体制を外から見えるようにする意味があります(改定の詳細は告示・通知で確認してください。この記事は2026年度改定の概要資料に基づいています)。

訪問看護ステーションとの連携を始める最初の一歩

まだ連携のないステーションと関係を作るには、営業に行く以外にも方法があります。

指示書の返送日数を決めて、守る

訪問看護指示書の依頼が来たら、何日以内に返すかをクリニック内で決めます。目安は2〜3営業日です。決めた日数を関係者向けページにも書き、実際に守ります。訪問看護は、この日数でクリニックを評価しています。

連絡先カードを渡す

初めて連携する患者さんの初回訪問時に、日中と夜間の連絡先、報告の手段、担当者名を書いたカードを訪問看護に渡します。名刺サイズで十分です。関係者向けページと同じ内容を紙にしたもので、訪問看護師が訪問先で迷わずに連絡できます。

看護師に同行してもらう

診療の初回訪問に、訪問看護師に同行してもらいます。患者さんの状態と家族の様子を一緒に見て、その場で役割分担を決められます。訪問看護にとって、医師と一緒に患者さんを見た経験は、そのクリニックへの信頼につながります(同行の調整は、訪問看護の側が歓迎することが多いです。医師の考え方を直接知る機会は、訪問看護にとっても貴重なためです)。

訪問看護ステーションから紹介を受けるには何が必要か

指示書への対応の速さ、決まった連絡手段、24時間の役割分担、看取りの方針の共有。この4つを日々の連携で示し、まだ連携のないステーションにはサイトの関係者向けページで伝えることです。訪問看護は「対応が速い先生」をそのまま「紹介したい先生」として記憶します。

最後に

訪問看護ステーションは、在宅の状態変化を最初に知り、主治医の交代を家族やケアマネジャーに相談することがある立場です。その相談で名前が挙がるのは、指示書の対応が速く、連絡手段と24時間の役割分担が決まっているクリニックです。まだ連携のないステーションには、関係者向けページに連携情報を書いておくことで伝わります。

ケアつくでは、在宅医療のクリニックに絞ってホームページを制作しており、関係者向けページはすべてのプランに含めています。訪問看護ステーションのサイト制作も対応していますので、連携の両側からご相談ください。

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